不動産を相続したときに確定申告が必要なケースを徹底解説

「相続で受け取った財産は所得になるのか?」「遺産を受け取ったら必ず確定申告が必要なのか?」などの疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。

相続が発生すると戸惑うことも多いと思いますが、法律上の手続きは遂行していかなければなりません。

この記事では、「不動産を相続したときに確定申告が必要なケース」から「不動産を相続したときの確定申告の期限とやり方」について紹介していきますので参考にしてください。

不動産を相続したときに確定申告が必要なケース

基本的には、相続によって受け取った現金や不動産などの財産は所得にならないため、相続財産に対して所得税・住民税は課税されません。

ただし所得税の代わりに、相続税という税金が課税されます。

相続税は、相続が発生した翌日から10ヶ月以内に申告・納税する必要がありますが、確定申告は不要です。

では、どのような場合に確定申告が必要になるのでしょうか。

不動産を相続したときに確定申告が必要なケースは、以下の通りです。

  1. 家賃収入がある場合
  2. 換価分割で不動産を分けた場合
  3. 国や地方自治体に不動産を寄付した場合

家賃収入がある場合

家賃収入のある賃貸物件を遺産相続した場合、家賃収入分が被相続人の所得になるため、確定申告をおこなう必要があります。

確定申告の対象となるのは、被相続人が亡くなった日以降に発生した家賃収入です。

1月1日から被相続人が亡くなるまでに発生していた家賃収入に関しては、相続人が被相続人の代わりに確定申告をおこない、所得税を支払います。

これを「準確定申告」と言います。

注意
準確定申告を忘れてしまうと、延滞税などのペナルティがありますので注意してください。

換価分割で不動産を分けた場合

不動産を売却してお金に換えて遺産分割する、換価分割で不動産を分けた場合、買主から受け取った売却代金は所得になるため、確定申告をしなければなりません。

ただし買主から受け取った売却代金すべてが所得になるわけではなく、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引き、プラスが出た場合のみ確定申告が必要になります。

売却利益がなければ、確定申告をおこなう義務はありません。

国や地方自治体に不動産を寄付した場合

国や地方自治体、特定公益増進法人などに不動産を寄付した場合も、確定申告をするのがベターです。

上記の2つのケースとは違い、確定申告をおこなう義務はありませんが、寄附金控除を受けられるため節税できる可能性があります。

寄附金控除額については、国税庁の以下の記載を参考にしてください。

次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額

イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額

引用:一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)-国税庁

不動産を相続したときの確定申告の期限は?

確定申告の期限は、以下のとおりです。

  1. 家賃収入がある場合…相続が発生した翌年の2月16日〜3月15日
  2. 換価分割で不動産を分けた場合…不動産を売却した翌年の2月16日〜3月15日

確定申告を忘れてしまうと、無申告加算税と延滞税が課税されてしまう可能性がありますので、忘れずに申告しましょう。

もしも忘れてしまった場合であっても、なるべく早く申告し、所得税を納めてください。

自主的に申告すれば、ペナルティを受けずに済むかもしれません。

ちなみに相続税の納税期限は「被相続人が死亡した日の翌日から10ヶ月以内」ですので、混同しないように注意してください。

相続税が課税されるのは、非課税枠である基礎控除額「3,000万円+600万円×相続人の数」を上回った場合になります。

参考 No.2024 確定申告を忘れたとき国税庁

準確定申告の期限は相続発生から4ヶ月以内

準確定申告の期限は、相続発生から4ヶ月以内になります。

「相続が発生した翌年の2月16日〜3月15日」ではありませんので、注意してください。

被相続人に家賃収入などがなく、少額の年金のみで暮らしていたような場合、準確定申告は不要かもしれません。

ただし申告することで、払いすぎていた税金の還付を受けられる可能性がありますので、確認したほうが良いでしょう。

相続発生によって所得税を準確定申告する方法

準確定申告は、相続発生から4ヶ月以内におこなわないといけないため、なるべく早く申告準備を始めましょう。

基本的には通常の確定申告とやり方は同じですが、確定申告書の提出先が被相続人の住所を管轄する税務署であったり、相続人の連名で申告するといった違いがあります。

提出先 被相続人の住所を管轄する税務署
申告者 相続人(連名で申告)

誤って相続人の住所を管轄する税務署に提出しても、受け付けてもらえませんので注意してください。

e-Taxによる申告はできませんので、郵送または実際に被相続人の住所を管轄する税務署に足を運び、申告することになります。

参考 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)国税庁

準確定申告でも所得控除の適用が受けられる

準確定申告でも、以下の所得控除の適用を受けることができますので、受けられる控除がないか確認してください。

  1. 医療費控除
  2. 社会保険料・生命保険料・地震保険料控除
  3. 配偶者控除・扶養控除

所得控除を受けられるのは、被相続人が死亡するまでに支払った金額であり、被相続人の死亡後に発生したものについては控除対象外になります。

被相続人の所得税の申告に必要な書類

被相続人の所得税の申告に必要な書類は、以下の通りです。

確定申告書 通常の申告書に「準」と書き足す
被相続人の確定申告書付表 相続人が複数人いる場合のみ
被相続人の収入がわかるもの 源泉徴収票など
被相続人の生命保険や損害保険の控除証明書 保険会社に連絡して発行してもらう
被相続人の医療費の領収書 医療費控除の適用を受ける場合のみ

必要書類を揃えるのに時間がかかる場合もありますので、相続が発生したらすぐに準備を始め、確実に申告できるようにしておきましょう。